読みかた


読んでみる。

恐ろしいもので、読み続けていると読めるようになるが、読まないでいるとあっという間に読めなくなる。

人間は本来、読むという行為は苦手なのかも知れない。

とはいえ、やっぱり声に出すのは一番の上達の近道ではある。

自分の声帯を震わせて正確に音を出そうとする、その緊張感。そして、声になった音は自分の耳に届き、鼓膜を震わせて三半器官の砧やら鐙やらを伝わって、再び脳へと送られる。

紙に書かれている未知なる文字は、音声となり電気信号となりイオンの流れとなり、ぐるぐると循環する。

その、高揚感。

やっぱり、読むことは必要である。

読んでみて。

こんにちはもこんばんわもごきげんようも、たいていの場合に使える、便利な言葉、アンニョンハシムニカ、xan

これしか知らない、という人も大勢いる。でも、これ一つを知っているということは、実はとっても凄いことなのである。

習字の時にお手本として使われる字に、「永」がある。このひと文字で、書き方の基本があらかた把握できる、というやつである。

実はxanは、この「永」にも匹敵するほど重要な、いろんな約束事を含んだ言葉なのである。

さて、読んでみよう。xan。そして、ひとつひとつのハングル文字を、よーく見てみよう。

hasiを、あなたはハシムニカ、hashimnikkaと読んだはずである。けれど、bbは、pあるいはbと読まれるはずである。

拡大するので、もう一度よくご覧頂きたい。hasib。これは、ハシムニカ、と読む。

けれど、bibiは、ピビンパ、pibimppap。最後のbbは子音として残る。

なのに、hasibでは、bbmm、pをmと読むのは何故なのか。

実はbbは、pとbとして読まれるため、だけにあるのではない。後ろに鼻音であるnnあるいはbbが来ると、一緒に鼻音になるのである。これを子音同化、あるいは鼻音化という。

・・というと、とっても難しい気がするけれど、実は自然なことなのである。試しに、ハシプニカと発音してみよう。

発音しにくい。しなくてもいい。こうは読まないからだ。

これは、ddにもあてはまる。決してイプニダとは読まない。イムニダ、である。

日本語にも、こういう規則はある。ただ、意識しないで使っているし、日本語ではほとんどの場合、発音通りに表記されてしまうから、変化したことに気づきにくいのだ。

韓国語の鼻音化は、分かり易い。元の音が表記され、読む時にだけ鼻音化する。

まず。ggは鼻音化するとggになる。ggは、鼻音化するとggになる。そしてddは鼻音化するとnnになる。

私はこれを、「角が取れて丸くなった」と名付けている。nnggはとても強い音で、ほとんど変化することがない。けれど平音であるggggddは、大人しく丸くなってしまうのだ。

ハングル文字は表音文字である。

けれどそれは、全て発音通りに書いてある、という意味ではない。

日本語は音便、行った、の小さい「つ」とか、噛んだ、の「ん」とかを読みのまま書くけれど、韓国語では元の音を残したまま、一定の法則に従って発音するのである。

そして、その法則は、結構あれこれ、たくさんある。

でも、あわてて丸覚えする必要はない。むしろ、単語の正しい発音の方をきちんと覚えてから、音の変化と綴りの関係をじっくり見ていった方が、理解が早い。

だから、hasiは、決してそのままハシプニカと読んではいけない。

ハシムニカ。ハシムニカ。

綴りの練習は、読みながら。ちょっと恥ずかしいけれど、間違いがない。

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