美人
ちなみに
ある日、そういう それは形は下駄で、鼻緒が紅色で細く、複雑な模様が彫り込んであった。下駄は普通和風なのだが、それは国籍不明な感じで、変わっている上に不思議な感じがした。 そして、彼女の足に、それはとても似合った。彼女の足は小さく白く、まるで観音様のようだった。 私は、倉橋由美子の小説を思い出していた。 小説に出てくる、観音様の足をした主人公の友人は、パンプスにその足をねじ込んで、鍵のように指を曲げ、硬く大きな胼胝を作ってしまう。 そんな友人に対して主人公がどんな態度をとったか、私は覚えていない。 ただ、観音と読んで思い出したのは、百済観音だった。 おそらくはこの世で一番美しい、柔らかく人間的な肢体の、観音。神の像が美しいのは男か女か定かでないからだ、という説があるが、確かに、観音は少年にも見えるし、若い女にも見える。 百済。かつて半島にあった、三国のうち最も文化が華やかで、代わりに軍事力には欠け、滅ぼされ亡命した人の多くいたという、百の救済の国。 私の友人は、パンプスは履かない。代わりに真夏には黒い日傘で、透けるような肌を守りながら、小さなリュックを背負って意外と大股で、真っ直ぐに前を見て歩く。 私の |
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