KISS

卑怯だと思う。

子供にKISSのメイクさせて、替え歌を歌わせる。その曲は、私が初めて買った洋楽のレコードのメインの曲で、シングルカットもされている。もちろんシングルも持っていた。レコードで。だから、ちょっとギターが違う、なんてことも知っていたりする。

そんなことされたら、もう、一緒に歌うしかないじゃないか。

あのコマーシャルは、誰にアピールするためのものだろうか。

女性より男性の方が、子供を持つ年齢が高い。だから、初めて子供を持ったとき、すでに三十を過ぎていた、というのも珍しいことではない。

だから、子供を写真に撮ることにまだ飽きていない父親が四十に近くなっていても、そんなに不思議ではない。

KISSという愛称のカメラは、デジタルだろうか、フィルムだろうか。筋金入りの写真嫌いの私はどちらにも興味はなくて、製品の性能もよく分からないが、KISSに惹かれてそのカメラを手にする人も、いるのだろうか。

自分のサイト(この場合ホームページと呼ばれるが)に、やたら子供の写真を掲載する親がいた。今は少しは減ったのだろうか。

たぶん、ネタが子供くらいしかなかったのだろう。いや、ホームページを作れるならまだマシなのだ。年賀状用のプリントアウトもろくにできなくて、すでにパソコンにプリンターが繋いであるのに使えなくて、また別にパソコンいらずのプリンターを買う人も、いる。

機械音痴の人は、機械を買えば、買いさえすればその機械がどうにかしてくれると思っているので、「多機能」とか「一発」とかいうあおり文句にホイホイ乗せられる。

そして、プラスチックの匂いがぷんぷんする真新しい機械の梱包を解く、まではいいが、ろくに説明書も見ないで勝手に使おうとして、壊して、そして機械のせいにする。

そういう人は、デジカメではなく、昔ながらのフィルムカメラで、現像は写真屋さんに任せておけばいいのである。

ああ、でも、ネガの整理が出来なくて、撮影したのはいいがいつどこで誰が撮ったのか分からなくなっていく、のだそうな。

「写真」は、業界にとっては鴨葱だ。高価な機械を手にして、簡単に「勝ち組」気分になれるから。いや、写真だけではない。電子レンジで加熱すれば腐りかけたご飯も大丈夫だと思っている主婦や、電子手帳を持てば仕事ができると思っているサラリーマン、電子辞書があればすぐさま文章が上手になると思っている年寄り。

機械が苦手で、ならそれを認めればいいのに、「女だから」とか「こんなものは昔はなかった」とか「こんなもん使えなくても生きていける」とか、本末転倒の言い訳で、家の中に使えない機械ばかり増やしていく。

機械は機械。所詮機械。でも、それを開発するまでの人々の熱意は、確かに存在する。

けれどそれを理解できない、理解する能力のない人々は、それを無駄にし、無駄にすることで買った、すなわち勝ったつもりになっている。

そういう人々はまず間違いなくKISSを知らない。だからあのコマーシャルにも食指は動かないだろう。

あれ。だとしたら、いったい、あのカメラを買うのは誰なのだろう。

合併する薬品会社のコマーシャル。Cheap Trickの曲だけれど、ボーカルがロビン=ザンダーじゃない。ひどい。

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