十三。

もうすぐ十二月ですね、と呑気に言っていたら、明日は冬至です。

十三は、ご存じのように西洋ではとっても不吉な数字です。

けれども、日本では縁起のいい数字の一つに入るらしく、よく使われます。有名なところでは、栗より旨い十三里。栗は九里、よりは四里。九は苦に、四は死に繋がるとして疎まれるのですが、それを足してしまうと、ほこほこと美味しい石焼き芋になる。

近世には土用の鰻など、現在でも生きている名作コピーが多数ありますが、十三里はその中でも秀作の一つ。

辞書を眺めていて、もう一つ見つけました。九里と四里でくし、だから櫛屋さんのことを十三里屋ともいうのだとか。

しかしさすがに現代では櫛専門店を連想しろと言うのは難しい。くしと言えば串、串カツ屋さんの方になってしまうかな。

渡し。

関西では、十三と言えばじゅうそう。阪急の大きな駅のある、北野高校のあるところ。

といっても、私は大阪生まれではないので、北野高校がとっても賢いということを、つい三年ほど前に知りました。十三駅で降りたのも一回だけ、昼間に映画を見に行っただけ。いつもとっとと乗り換えて吹田や京都に行くだけ。

ですから、十三の由来も、社会の時間に習ったりはしませんでした。淀川の渡しの十三番目があったので十三になったとか。梅田が埋田より、風情があります。

でもさすがに昔から渡しのあった場所だけあって、活気は物凄い。駅から降りなくても、駅の中でだけでもその活気を体全体に浴びることになります。大きな暖簾の蕎麦屋さん、大阪名物を景気よく売る売り子さん、中学生から大学生まで、半分くらいは学生さんで、ホームはいつもごった返しています。

駅。

駅はその名前の通り、馬の中継地点のようなところでした。大きな駅のあるところは、城下町と同じように物が行き交い、必然的に賑わいました。

十三の駅は、駅の中で簡単な買い物を済ませることが出来るほど、便利です。ホームは外にあるので雪が舞ったりもしますが、活気でほんのりと暖かい。

ひとごみは嫌いですが、駅の、それぞれの目的のある人々があるいは忙しく、あるいはのんびりと、あるいは人待ち顔で行き交うところは好きです。

ですから、駅の風情というものには捨てがたいものがあると思っています。播州の駅の雄、加古川駅が、高架の工事で解体されるかも知れないという噂を聞きました。

播州の中でも最も古い駅の一つ。コーヒースタンドや広い待合室、蒸気をあげる加古川線の車両。白い唐屋根は重みの中にも軽やかさがあって。

けれど、播州の人は気前がいいというか何というか、自分たちの持っているものに対する執着が、ほとんどありません。ですから、壊すなら壊せばいいよ、という人も多いのだとか。

壊すのは簡単ですが、一度壊してしまったら、二度と元には戻らない。

大型店舗の撤退で景気の悪い話ばかりの加古川、ここらで巻き返しというわけには、いかないでしょうか。

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いかがでしたか。

日本一綺麗な駅は阪急の夙川(しゅくがわ)駅。だと思います。

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